最近、職場には不思議な人が多いことに気づいた。
いや、正確には以前からいたのだろう。
私が観察し始めただけかもしれない。
職場には猫舌の男性がいる。
彼は熱い飲み物を飲むたびにズーズーと音を立てる。
そこまでは分かる。
猫舌だからだ。
しかし彼は熱い飲み物を避けない。
むしろ積極的に選ぶ。
サーモスの保温マグに熱いフレーバーティーを入れる。
揚げ物が名物の店では煮カツを注文する。
熱々のご飯。
熱々の味噌汁。
熱いお茶。
彼の食生活には「冷ます」という概念が存在しないように見える。
私はずっと不思議だった。
なぜそんなに熱いものばかり選ぶのだろう。
そして最近、別の人物を見て気づいた。
職場には寒がりの男性もいる。
彼はとにかく寒がりだ。
夏でも寒い。
他の人が快適そうにしていても寒い。
寒いという。
しかし彼には特徴がある。
なぜか毎回エアコンの真下に座るのである。
席は自由だ。
私の職場はフリーアドレスである。
空いている席はいくらでもある。
しかし彼はエアコンの下を選ぶ。
そしてしばらくすると寒くなる。
当然である。
エアコンの下だからだ。
すると彼は立ち上がる。
エアコンを見上げる。
設定温度を上げる。
私は思う。
なぜだ。
寒いなら移動すればいい。
誰も君をその席に縛り付けていない。
その瞬間、私は気づいた。
猫舌男と寒がり男は同じ種類の人間なのではないか。
彼らは苦手なものを避けない。
むしろ苦手なものの近くへ行く。
そして後から対策を考える。
猫舌男は熱いものを選ぶ。
寒がり男は寒い場所を選ぶ。
私は理解できない。
しかし本人たちにとっては合理的なのかもしれない。
人にはそれぞれ事情がある。
ただ一つだけ確かなことがある。
私なら絶対にやらない。
もっとも、よく考えると私も毎日この職場に出勤している。
猫舌男もいる。
寒がり男もいる。
鼻すすり族もいる。
もしかすると、
苦手な環境に自ら飛び込んでいるのは私なのかもしれない。